蟹物語

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これは、先のGWで行ってきた新潟のお土産に買ってきた「カニコーラ」です。蟹出汁が入ったコーラということで、カニコーラ。コーラと甲羅がかかっているのと、ギリギリを攻めたロゴデザインがポイントですね。ちなみにこちらの商品、飲んでいただいたところ大不評をいただきました。ご当地ゲテモノ飲料の運び屋冥利に尽きます。

 「ここ一年で2番目にまずいものを飲んだ」という大変光栄なお言葉を賜りました。

ちなみに1番はかの有名な「いよかんコーヒー」らしいです。

 

私もほんの少しだけ試飲させてもらいましたが、なるほど、とても苦い思いをしました。そして、蟹・苦いというこのマリアージュは、かの日、かの出来事のことを想起させました。

 

そうだよ。あの日以来じゃないのか?僕があんなことを言い出したのは。

「投機はしないーー資産とSAN値が下がるから」

※実際にこんなセリフを吐いたことはありません。

 

🦀 🦀 🦀

 

「かの日」、それは暑い日差しの照りつける真夏日で、思えばその日も沼津にいた。

久々の平日休みを利用して沼津に来ていた私はそれはもう浮かれていた。なんといってもその日は沼津市でも指折りの高級旅館、松濤館に宿泊する予定だったのだ。一人でこんな宿に泊まるとなると懐が痛むところだが、心配ご無用、私には強い味方がいたのだ。

 

それは蟹。正確には「KLab」だ。

 

そう、私は当時KLab株を保有していた。少し前に購入していて、株価は乱高下しながらも2割ほど上昇して結構な含み益を抱えていた。KLabに限らずこの手のアプリゲーム系銘柄は基本的に値動きが激しく、だからこそ短期トレーダーに人気があった。私も当時業績が好調だったことと、KLab作のゲーム「スクールアイドルフェスティバル」をプレイしていることもあり、そこで突っ込んだ分を返してもらおうという下卑た考えのもと購入に踏み切ったのだが、狙いは見事はまっていた。だから「旅館の代金くらい蟹様がなんとでもしてくれらぁ!」と強気姿勢だったのだ。

 

その日その時までは。

 

バスでの移動中、平日なので株式市場が動いていることを思い出した私は少し現在の値動きを見てみることにした。そして正気を失いかけた。

 

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「蟹、めっちゃ下がってるーーーーー!!!!」

 

秒速5センチメートルの桜とは比較にならない、強いて言えば秒速5円、まさにナイアガラフォールズのようにリアルタイムでKLabの株価が下落していた。2割ほどあった含み益は音もなく溶け、一気に含み損へと転落した。元々値動きが激しい銘柄だからとか、そんな生易しいもんじゃあ断じてない。明らかに異常な下落劇を演じていた。

 

失いかけた正気が戻ることはなく、毎秒減り続ける数字を見つめながら、頭が真っ白になったまま、売り注文を入れたのだった。

 

「これが、損切りってやつか…」

 

その時の汗は、おそらく真夏の暑さだけが原因ではなかった。人生初の損切りは、苦い味がした。

 

🦀 🦀 🦀

 

このことから教訓を得たとすれば、自身に合ったスタンスが確立できている場合、それを崩した取引はするもんじゃないということだった。自身が安定志向で、デイトレードのような短期取引が向いていないことを知っていながら蟹に手を出した瞬間思いっきり挟まれてしまい、正常な判断ができなくなってしまった。

一方で、長いこと保有していたディフェンシブな銘柄については順調に利益を享受できていたので、その方針を続けていくべきだと強く認識できた。

 

そして、一銘柄に集中投資するのはやはりとても危険だということも痛感した。KLab株が下落しても、他の銘柄がプラスを出していてくれたおかげで、致命傷には至らなかった。もし全財産をKLab株にしていたら、ましてや信用取引なんてやっていたら、もう立ち直れなかっただろう。

 

柄にもなく投機的な取引を行った結果、そこそこ大きな損失を出すことになった。その日以来、短期での値上がり益を目的とした売買をやめ、配当を重視した長期的な目線で投資に取り組むようになったのだった。

 

こんなに大事なことがわかったのだから、安い授業料だったね。

 

🦀 🦀 🦀

 

そういえば、バンダイナムコホールディングスが決算発表していましたね。増益増配、とても順調で嬉しいです。配当最高!やっぱりバンナム様や!